ここでは、産業廃棄物がどのように処理されるかを紹介します。
マニフェスト(産業廃棄物管理表 改正分:平成13年4月1日施行)
マニフェストシステムとは・・・
排出事業者が産業廃棄物の処理(運搬・処分)を委託する際に産業廃棄物の名称・数量等を記入して、
廃棄物の流れを自ら把握・管理するシステムです。
目的
マニフェスト制度は、排出事業者が、収集運搬業者・処分業者に委託した産業廃棄物の処理の流れを
自ら把握し、不法投棄の防止など、適正な処理を確保することを目的にしています。
今、社会問題となっている不適正処理や不法投棄を未然に防止することです。
もし、使用しなければ・・・
処理を委託した業者が不法投棄等の不適正処理をした場合は、排出事業者も責任を問われます。
産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度の適用拡大
従来、マニフェスト制度は、特別管理産業廃棄物についてのみ適用されていましたが、
平成10年12月1日からすべての産業廃棄物に拡大されました。また、ペーパーによる
マニフェストのほかに、電子情報機器を用いて(電子マニフェスト)の制度も創設され
ました。
更に平成13年4月1日から、その様式も指定され、不交付等の法令違反に対する罰則も強
化されました。
●改正の理由
改正廃棄物処理法(平成12年6月)が改正され、マニフェストも様式等が改正されました。
従来のマニフェストの標準的な交付パターンは下図のとおりであるが、これには排出者責任
の立場から、最終処分まで確認してその責務を果たすべきではないかという意見があった。
例えば「木くず」を中間処理(焼却)するとマニフェストでも適正処理を確認するシステム
はできているが、中間処理業者に貯まる焼却残渣(灰)等の処分先、処分方法は排出者とし
ては確認していなかった。中間処理業者が灰を不適正に処理しても排出者は関知しない立場
であった。今回の改正はそこにメスを入れ排出者は自らの廃棄物が最終的に処理、処分され
るまでを確認する義務(排出者責任)があるとして創設されたものである。
■排出事業者は
1.管理票記載事項の追加
①最終処分(埋立、海洋投入、再生)の場所の所在地
2.最終処分が終了した旨を記載した管理票の写しの送付を受けるまでの期間
①180日
3.管理票の写しの送付を受けない場合及び虚偽の記載又は未記載のある場合の措置
①生活環境の保全上の支障の除去又は発生の防止のために必要な措置を講ずること
②講じた措置を都道府県知事に報告すること
■中間処理業者(受託者として)は
1.中間処理産業廃棄物について最終処分が終了した旨が記載された管理票の写しの
送付を受けたとき、排出事業者から交付又は回付された管理票への写しへ記載す
べき事項
①最終処分を行った場所の所在地
②最終処分年月日
2.上記を記載した管理票の写しの排出事業者への送付期限
①中間処理産業廃棄物に係る管理票の写しの送付を受けた日から10日
■中間処理業者(処分委託者として)は
1.管理票記載事項の追加
①最終処分の場所の所在地
②交付又は回付された産業廃棄物に係る管理票を交付した者(排出事業者)の氏名又
は名称及び当該管理票の交付番号
2.中間処理産業廃棄物に係る管理票を交付するとき、排出事業者から交付された管
理票の内容を確認
3.管理票の写しの送付等を受けない場合の措置→排出事業者に同じ
*焼却業者(中間処理業者)の場合、焼却を引き受けるときは受託者になり、燃え殻
(灰)を最終処分業者に委託処分するときは処分委託者の立場になる
■最終処分業者は
1.交付又は回付された管理票への記載事項の追加
①最終処分の場所の所在地
②最終処分年月日
2.最終処分が終了した旨を記載した管理票の写しの送付期限
①10日
以上のように、マニフェスト制度が発足してからの法案にかなりの変更が加えられたことが上げられます。
これにより、排出する側、業者側にも責任が大きくなってきたといえます。
かなり細かい点で変更があり、以前の法案では通っていた廃棄業務も、今回の法案で、
違反となる事もあります。
当社では、今回の制度拡大を受けまして、新たな制度を理解し、正しい制度に則り、作業をいたします。
罰則の強化
従来廃棄物を適正処理したが、マニフェストは不交付であった者や、その処理を確認
しなかった者等への罰則適用はできなかったが、今回の改正で下表のとおり大幅に改正
された。今回の改正でも確認義務違反者に対して罰則が適用されないのが気になりますが、
措置命令対象者となっていることに注意してください。。
■改正前 |
→ |
■改正後 |
義務違反 |
措置命令要件 |
罰 則 適 用 |
不交付 |
△ |
× |
虚偽記載 |
△ |
○ |
虚偽管理票交付 |
× |
× |
確認義務違反 |
× |
× |
保存義務違反 |
× |
× |
|
義務違反 |
措置命令要件 |
罰 則 適 用 |
不交付 |
○ |
○ |
虚偽記載 |
○ |
○ |
虚偽管理票交付 |
○ |
○ |
確認義務違反 |
○(注) |
× |
保存義務違反 |
○ |
○ |
|
(注)は違反行為の関与者として措置命令の対象となる。
いつから施行されるのか
平成13年4月1日から施行
※マニフェストの様式が次のとおり定められました。
様式第2号の6(省令第8条の21関係)
産業廃棄物とは・・・
いわゆる「ごみ(廃棄物)」は、法律上は次の3種類に大別されます。
(「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」)
以前は2種類でまとめられていましたが、新制度では3種類となりさらに細かく分類分けされました
一般廃棄物(いっぱんはいきぶつ)
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家庭やオフィスなどから出るごみ。法律上は、「産業廃棄物以外のごみ」とされています。
私たちが日常生活の中で出しているのは、この一般廃棄物に分類されるものです。
一般廃棄物の処理・処分は、各自治体(市町村)の責任とされています。
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産業廃棄物(さんぎょうはいきぶつ)
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法律で定められた以下の19種類の廃棄物。(事業活動から出るもの)
その処理・処分は、排出者(そのごみを出した事業者)の責任とされています。
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特別管理産業廃棄物(特別管理産業廃棄物)
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特別管理産業廃棄物とは人の健康または生活環境に関わる被害を
生ずるおそれのある廃棄物のことです。
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【産業廃棄物20種類】
燃えがら、汚でい、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、
紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、ゴムくず、金属くず、
ガラスくず及び陶磁器くず、鉱さい、がれき類、動物のふん尿、
動物の死体、ばいじん類、
これら18種類の産業廃棄物を処分するために処理したもの
1から19の廃棄物、航行廃棄物、携帯廃棄物を除く輸入された廃棄物
【特別管理産業廃棄物】
廃油 、廃酸、廃アルカリ
感染性産業廃棄物
廃PCB等PCB汚染物、PCB処理物 廃PCBおよびPCBを含む廃油
廃石綿等 有害産業廃棄物
毎年、報告の義務があります!
毎年6月30日までに、管理票交付等状況報告書(様式第10号)に前年度の交付状況を記入し、
市に事業所がある場合は各市長に、それ以外の事業所がある場合は知事に報告する。
資料
マニフェストカタログより随所抜粋
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